顎関節症、顎変形症はご存知ですか?
わたし自身、3歳児健診や小学校入学前健診などで噛み合わせを指摘されていたらしいですが、成長過程で治るケースもあるとのことで治療せずに過ごしていました。
ただ何となくしゃくれていて、なおかつ下顎が左にズレていて左右非対称だな、、、と子どもながら気にしながら過ごしていた記憶があります。
ほおづえは左下顎を手で押さえるようにしたり、寝る時も左下顎を枕に押し付けて寝たりしていました。
強がりでも何でもなくそれほど嫌な記憶ではないのですが振り返ると結構気にしていたんだなと感じてしまいます。
今回はそんなわたしが経験した外科手術からその後の経過など実体験を紹介いたします。
顎関節症、顎変形症でお悩みの方、治療中の方、手術をお考えの方にとって参考になれば幸いです。
顎関節症の症状
中学生の頃は「顎いじり」が増えてきて笑い飛ばせず嫌な思いをすることも。今思うと外見いじりなんか気にせず受け流せば良いだけなんですが学生時代の狭い世界では難しい現実だったのかもしれません。
顎関節症の症状が出始めたのは高校生頃。
口を大きく開くとカクカク音がするのは慣れっこでしたが、そこに痛みが伴うようになってきました。
近くの矯正歯科で診てもらうことに。
右側で四六時中ガムを噛んで下さい
「右側で四六時中ガムを噛んで下さい」これが矯正歯科の初診で言われたことでした。
左側に下顎がズレており噛み合わせが悪いから今までの人生ずっと左側で噛んできたのではないか?と半ば決め付けられ、右側を沢山動かせば右側の顎が発達するかもしれない!とまさかの提案。
言われるがまま寝る時と授業中以外は四六時中ガムを右側で噛み続けました。
しばらくして、右側の顎は発達するどころか四六時中ガムを噛んでいたせいで猛烈な痛みを感じるようになりました。
再診の際にガムも噛めないほど痛みが出てきたと伝えると「口腔外科と連携しているオススメの矯正歯科があるから紹介します」と少し離れた矯正歯科を紹介されました。
矯正からの手術
紹介されたクリニックでは話がトントン拍子に進みました。
先生も慣れており、確か「顎変形症と顎関節症が併発している」と診断された記憶があります。
治療として、まずは歯列矯正をして顎変形症の手術をする流れに。
顎変形症、顎関節症って何?
顎変形症
「顎変形症」は上下の顎が前後、左右、上下など様々な方向にズレている状態で歯の矯正だけでは、噛み合わせを治すことができない不正咬合(歯列不正)
顎関節症
「顎関節症」は噛み合わせが悪く負担がかかり、顎が曲がってきたような噛み合わせに変化したり、顎関節の骨が削れて変形してくる場合があり、痛み、口を開けるとカクカクピキピキ音がする、口が開けにくい、硬いものを噛みにくいなど
治療をせずに放っておくと
見た目のコンプレックスだけではなく、治療をせずに放っておくリスクとして下記が挙げられます。
- 前歯で噛み切ることが出来ず左右どちらかに負担がかかるため歯並びに異常が出る
- 噛み合わせが悪いと食べ物の咀嚼や会話の発音に異常が出る
- 肩や首の痛みに繋がる
先生から様々な患者さんの顎のBefore After写真を見せられ、心の中で「まだ自分はマシな方かも」と思った記憶があります。
歯列矯正と手術が必要?
結論として手術をするかどうかは患者が決めることですがわたしは歯列矯正と手術を選択しました。
矯正歯科が大きな病院の口腔外科医や形成外科医と連携し治療計画を立てて治療を行っていく流れです。
歯列矯正
曖昧な記憶ではありますが術前矯正1年ほど、術後矯正を1年ほど行った気がします。
顎変形症の場合、手術を行なって顎を正しい位置に動かした際にきちんとした噛み合わせができるように歯列矯正が大切なポイントになるようです。
保険適用、高額療養費の対象
「顎口腔機能診断施設」の届出を出している矯正歯科に限り健康保険が適用されるようです。
口腔外科や形成外科での手術や入院費も保険適用となります。
ちなみに矯正歯科が自費の場合、同じ手術でも自費扱いになってしまうようなのでお気をつけて下さい。「顎口腔機能診断施設」の届出有無は最初に確認しておいて下さい。
高額療養費の申請をすると医療費の一部が返還されるのでこちらの確認もお忘れなく。
顔に傷が残らない手術
手術は口の内側から切って行うので顔に一切傷は残りませんでした。
確か1週間ほど入院した気がします。術後は顎が一切動かないように顔面ガッチガチに包帯でぐるぐる巻きに固定されていたので数日間はほぼ何もせず寝ていただけで当時の記憶が曖昧です。
顔の腫れが引いて、多少自力で食べられるようになったら退院みたいな感じだった気がします。
術後の経過
手術して本当に良かったです。
もちろん噛み合わせは劇的に変わり、顎のズレも解消され痛みも無く、本来の自分の顔を見て「これこれ!」と満足感を味わえました。
気持ちの面での変化も大きく、何をするにも自信を持つことができ社交的になった気がします。
5年後、10年後、現在
わたしは18歳の頃に手術を受けました。
痛み、咀嚼、外見など今までの悩みが全て解消され本当に満足したことを覚えています。
それから年月が流れ、、、
ある時、食事中に友人がわたしを見つめて笑いながら「顎曲がってない?」と悪気は一切無い感じで聞いてきました。
大人になった私は「そうそう!昔顔面めがけてトラックが突っ込んできて曲がっちゃってさ!次逆から突っ込まれるの待ってんだよね!」と返しました、、、
友人の笑い声が救いでした。
まとめ
現在の状況が18歳当時の手術前よりひどくなっている訳ではありません。
ただ20代から30代と年月が流れ、人として成長したいのに顎が左に成長し続けている気もします。
体の骨格に問題があるのか?また顎が変形してきているのか?姿勢など生活習慣が影響しているのか?
現在、結婚をして息子2人を抱える社会人のわたしは独身時代より外見を気にしなくなったこともあり、再度チャレンジするかはあまり真剣に考えてはいません。
ただ、左にズレ続けている下顎、口を開いた時のカクカク、たまに痛みは感じています、、、
とりあえず食事やガムを噛むときは右側で噛むようにしています。
ちなみに妻、子どもには「もし、パパを殴る時があったら左側から!」と伝えています。